松尾農園の松尾夫妻

鳥取県日南町
深い自然の中にある日南町は日中の寒暖差も大きく、季節の移ろいを日々体感出来る自然に囲まれています。
自然と共に生きるこの町で、しいたけづくりを愉しむ松尾さん家(ち)に行ってきました。

原木しいたけ

皆さん、しいたけはお好きですか?
私は、ちいさなころからしいたけが大好きで、採れたてのしいたけをバターで炒めて食べるのが大好きなんです。
そんなしいたけ好きの私の最近の悩み…それは、美味しいしいたけに会えなくなったこと。

私が好きな、美味しいしいたけ。それは「原木しいたけ」です!

今スーパーで売っているしいたけの多くは「菌床しいたけ」ばかり。
「菌床しいたけ」というのはおがくずを固めたものにしいたけ菌を埋め込み、人工的に作られるしいたけです。簡単に栽培する事ができて季節にかかわらず栽培できるので、コストも安くしいたけが安く食べられるようになったのはこの「菌床しいたけ」栽培が流行ったおかげともいえます。

松尾さんの生産のようす

「原木しいたけ」は昔ながらの栽培方法で作られたしいたけの事です。
クヌギやならの木などの原木に、しいたけ菌を打ち込み時間と手間を掛けて作る「原木しいたけ」は手間も時間もかかりますが、原木の養分をしっかり吸ってそだつしいたけは風味も食感も「菌床しいたけ」とは天と地ほども味の深さが違うんです。

しいたけって美味しくなくてあまり好きじゃないって人は、もしかしたらこの「原木しいたけ」を食べたことがない人なのかもしれません。
香り、味の豊かさは本当に「原木しいたけ」しか出せない味わいなんです。

ただ、原木は今価格が高騰しており、原木を使ったしいたけの栽培を続けている農家は年々減っているそうです。昔は鳥取県でも多くの農家の方が「原木しいたけ」を作っていたそうですが、原木が高騰していく中、コストも低く、年中出荷出来る「菌床しいたけ」に変えてしまった所が多いそうです。

原木しいたけの温室

今回お邪魔した松尾農園さんはこの原木でのしいたけづくりを続けている農家でした。
松尾農園さんで作っている「原木しいたけ」は、ほだ木(菌を埋め込んだ原木のこと)に刺激を与えたり、菌の発生を促す為に水に浸けたりして手間暇掛けて育てています。

美味しいしいたけが出来るためには適度な湿度と低い気温が必要です。
暖かすぎるとなかなか上手くいかないしいたけは、寒暖差も大きく自然が多い日南町は育成に適した場所でもあります。

松尾さんご夫妻がつくるしいたけは、販売価格が高くても店に並ぶとすぐに売り切れになってしまうほど美味しさに定評があります。
それは、松尾ご夫妻が美味しいしいたけをつくるために、様々な工夫をかさね、毎年蓄積されてきたしいたけ栽培の知識を詰め込んでいるからに他ならないでしょう。

しいたけといっても実は様々な菌の種類があり、それぞれの菌によって栽培方法も変わってきます。
日々変わる天候や気温、そして菌の状態を毎日直接目で確かめ、小さな変化に合わせて丁寧に育てて行く姿はしいたけへの愛情にあふれていました。

松尾農園のしいたけづくり

松尾農園で作られたしいたけは地元では生しいたけとして販売されています。
今は奥様がこの美味しい「原木しいたけ」をもっと多くの人に味わってもらいたい!と、「原木しいたけ」を贅沢に使った加工食品を沢山作っておられます。

香り高いしいたけをふんだんに使った、おいしいたけドレッシングや、料理に入れるだけでしいたけのうま味が足せるしいたけパウダーなど「原木しいたけ」だからできる風味やうま味の詰まった加工品。
これらすべて松尾さんがひとつひとつ手作業で作っておられます。

松尾農園の松尾さん

採れたしいたけに合わせて少しずつ改良を重ね、開発した商品はなんと12種類!
「原木しいたけ」の美味しさをどこでも楽しめる商品をぜひお試しください。

そして、鳥取に来られた際には、松尾農園の「原木しいたけ」を食べてみてください。
今まで食べてきたしいたけとの違いを、一口食べた瞬間感じられるはずです。

くわしくはこちら
松尾農園のしいたけが出来るまで
松尾農園の商品一覧

ライター
Yoko Keito
鳥取県生まれ、高卒後地元で10年間接客業を経て、独学でWebデザイナーに転身。
地元のクリエイターを育成しながら、デザイン,Web,動画などのクリエイティブディレクターとして活動中。